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第2 請求の原因 |
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・ 本訴の概要 |
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本件は,原告会社が,関空販社らによる不公正な取引のために業務の維持展開を阻害されている実情を訴えるものである。
すなわち,原告は空港島において新聞の販売等を業とするものであるところ,全国紙5紙の大手卸元である「卸売5社」は空港島内での全国紙5紙の販売を実質上独占させる組織として「関空販社」を設立し,同社にのみ全国紙5紙を卸売りするという不公正な方法により空港島市場を関空販社にほぼ独占させた。このため,原告はその商品たる全国紙5紙の卸入れの途を断たれ,所期の業務の維持展開を封止されている窮状にあり,原告は,早急に被告らの不法な独禁法違反行為の差止めを求めるものである。 |
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・ 当事者 |
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1〔原告〕 |
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原告(エアポートプレスサービス株式会社,随時「APS社」と略称する)は,新聞・雑誌等の販売を業とする会社であり,平成2年,関西国際空港島の市場としての将来性に着目して設立以来,現在なお引き続いて空港島での小売用や航空機搭載用の新聞等の販売活動の維持・継続に経営努力を傾けている。 |
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2〔被告〕 |
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被告関西空港新聞販売株式会社(関空販社)は,全国紙5紙の大手卸売業者5社(卸売5社)が共同出資により平成5年に設立した空港島における全国紙5紙の一手販売会社である。すなわち,空港島の売店で即売用の新聞の販売,同島の旅客機搭載用の新聞の販売を事業目的とするが,空港島市場については,卸売5社は,関空販社以外に全国紙5紙を卸売りしないことで販売窓口は関空販社に一本化される。 |
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被告株式会社新販は朝日新聞社,被告株式会社大読社は読売新聞社,被告株式会社近販は毎日新聞社,被告関・地区新聞即売株式会社は産経新聞社,被告日経大阪販売開発株式会社は日本経済新聞社の各系列の大手卸売業者であり,これら卸売5社はそれぞれの系列の新聞等の卸売を一手に取り扱っている。その関西地区におけるすべての新聞等小売店に対して占める卸売のシェアは,いずれも100%に近い。 |
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・ 被告関空販社の設立による原告業務の不当侵害 |
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1 |
原告エアポートプレスサービス株式会社は,平成2年の創業以来,空港島における全国紙5紙の販売につき,各紙につき卸入れのルートを確保して少しずつ実績を伸ばしてきたものであるところ,突如平成5年に,被告卸売5社は共同出資して被告関空販社を設立し,空港島における全国紙5紙の卸売りについては被告関空販社を通してしか取引しないものとした。
これは卸売5社が共同して原告APS社ら被告関空販社以外には全国紙5紙を取引しないことであり,独禁法2条9項1号の不当に他の業者を差別的に取り扱う不公正な取引方法(共同取引拒絶)に該当する。 |
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2 |
また被告卸売5社は,前記のとおり,その各取扱紙については関西地区での卸売りをそのシェアにおいて独占しており,かかる卸売5社が共同出資で設立した被告関空販社のみにより空港島での,全国紙5紙の販売が行われるのであれば,同5紙の販売にかかる分野は実質的に競争が制限されることとなり,独禁法2条6項の不当な取引制限に該当する。 |
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・ 被告らによる公取委の欺罔と定款違反の敢行 |
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1 |
原告APS社は,すでに平成6年6月8日,叙上の被告らの独禁法違反を公正取引委員会に申し立ててその差止め方を求めた。 |
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2 |
公取委の指導を承けてとみられるが,被告関空販社及びその株主である被告卸売5社は,平成8年6月10日開催の臨時取締役会及び同年6月25日開催の第3回定時株主総会において,定款を変更し,「被告関空販社には新聞の販売会社としての機能は持たせない」旨,すなわち,「全国紙5紙については仕訳・包装・配送・代金回収業務の受託業務を行うにとどめる」旨を明記した(甲第1号証の1・2)。そして,卸売5社は,このことを,平成8年10月30日付の文書(甲第4号証)により,公取委へ報告した。 |
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3 |
この報告が公取委になされてまもなく,公取委は,関係人に対して独禁法45条3項の規定に基づき「注意」処分を行い,この注意をした旨を平成8年12月25日付の文書(甲第5号証)により原告に通知してきた。 原告は,差止めではなく注意にとどまるのはいかにも不満であったが,この注意により善処されるとの公取委の言を信じて見守ることとした。 |
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4 |
しかるに驚くべきことながら,この定款変更は名目だけのものであり,なんら実体を伴わない。実際的には,被告関空販社の業務は不変である。その設立当時から,公取委の指導中はもとより,現在に至るまで,引き続き,全国紙5紙を,卸売5社より排他的に卸売りを受け,空港島において販売を継続しているのである。この実情を端的にいえば,被告ら各社は,公取委をあざむいたのであり,そのように評価されてもやむを得ない結果となっている。 |
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・ 原告会社の苦悩と損害 |
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原告は,上記公取委の対応(注意した旨の通知)があったものの,実情に何らの改善も得られないでいる。その商品である全国紙5紙の卸入れの途を実質上断たれ所期の業務の遂行展開は被告らの独禁法違反行為により封止されるという甚大な被害を被っている。
思い余って原告会社は公取委に相談したが,適切な方向は得られなかった。再度,公取委に申し立てても,卸売5社及びそのグループに対して従前に勝る指導措置が得られるかどうか原告の苦悩は続いた。被告らは,公取委の指導受入れがまったく虚偽であり,しかも現在の定款違反であることを承知で,天下の公器であるはずの新聞の不公正な取引制限を横行させている。 |
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・ 独禁法24条の民事的救済制度による本訴の提起 |
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このたび,独禁法の改正(平成12年)により,独禁法違反行為に対する私人による差止請求制度(法24条)の新設されたことを知り,同制度により,ここに請求の趣旨のとおり差止請求に及ぶ次第である。 |